通信情報システム専攻 99年度談話会の概要


第1回
日  時:1999年5月20日(木) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:中村 卓司
     通信情報システム専攻 地球電波工学講座 地球大気計測分野
講演題目:電波、光、音波による地球大気計測の展開
概  要
超高層電波研究センターが開発し滋賀県信楽町に設置したMUレーダー(中層・超高層大気観測用大型レーダー)は地上から高度500kmにいたる下層、中層および超高層大気を観測するレーダーである。津田研究室では、大型のMUレーダーを応用して音波を併用した高時間分解能大気温度観測による気象現象の観測、ライダー(レーザーレーダー)や高感度大気光カメラ等の光学観測を複合したレーダー・光学の複合による中層大気観測などを進めている。本講演では、これらの大気計測の展開や海外観測、衛星電波を利用した大気計測など、当研究室での最近の研究の概要を述べる。

第2回
日  時:1999年6月10日(木) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:梅原 大祐
     通信情報システム専攻 通信システム工学講座 伝送メディア分野
講演題目:代数幾何符号とその漸近的性能

概  要
信頼性が高く効率の良いディジタルデータ通信の必要性は近年急速に高まりつつある。現在、通信路上を伝送される情報の信頼性を保つための技術の一つとして、誤り訂正符号が広く用いられている。その中でも、符号構成に代数曲線を用いる代数幾何符号は、符号長が大きい場合にも優良な性能を有する。本講演では、誤り訂正符号の研究に大きな進歩をもたらした代数幾何符号とその漸近的性能について概説する。

第3回
日  時:1999年7月8日(木) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:乗松 誠司
     通信情報システム専攻 集積システム工学講座 超高速信号処理分野
講演題目:長距離大容量光ファイバ通信の現状

概  要
現在ネットワークの基幹伝送路は、ほぼ光ファイバ伝送路に置き換えられている。しかし、近年のインターネットユーザの増加により、容量不足が引き起こされると言われるようになってきた。一般に大容量化には伝送可能距離の低下を伴うが、ネットワーク規模を小さくすることなく大容量とするために現在行われている光ファイバ通信の研究状況を概説する。

第4回
日  時:1999年9月17日(金) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:八杉昌宏
     通信情報システム専攻 コンピュータ工学講座 計算機ソフトウェア分野
講演題目:言語処理系におけるゴミ集め方式について

概  要
オブジェクト指向言語などのプログラミング言語のプログラムを実行する際にはオブジェクトというデータを用いて計算を進めることが多い。プログラムの実行を続けてもアクセスされる可能性がないオブジェクトのことをゴミと呼ぶ。ゴミ集めとは、計算中に言語処理系がゴミの検出とゴミの回収を行い、ゴミとなったオブジェクトが使用していた記憶域を自動的に再生利用することである。本講演では、よく利用されるゴミ集め方式(参照カウント方式、到達可能性による方式など)や、その他のゴミ集めに関係する話題について概説する。

第5回
日  時:1999年10月14日(木) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:村田 英一
     通信情報システム専攻 通信システム工学講座 ディジタル通信分野
講演題目:ディジタル移動体通信における信号処理技術

概  要
携帯電話が急激に普及し,繁華街などの地域では周波数資源の不足が深刻である.また,より高速・大容量のデータ伝送を実現するためにも大量の周波数資源が必要とされる.周波数資源の有効利用を目的とした信号処理技術を,特に干渉キャンセル技術の計算機シミュレーション,試作,室内実験結果を中心に概説する.

第6回
日  時:1999年11月11日(木) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:Magnus Halldorsson
     通信情報システム専攻 コンピュータ工学講座 論理回路分野
講演題目:Issues in Scheduling Multimedia Data and Jobs in Distributed Systems

概  要
Two trends are particularly evident for computer systems in the near future: increasingly large volumes of multimedia data (including Video-On-Demand), and increasingly distributed nature of computation.
We consider some scheduling issues involving the service of multimedia data and in resource allocation in distributed systems. These scheduling problems can be formulated in terms of the graph given by the pairwise conflicts of the jobs. We find that in fact many of the problems involved relate to classical graph optimization problems of finding independent sets and coloring graphs. The nature of the scheduling issues leads to many interesting variants, in particular online versions of the problems.
In this talk, we give an overview of these issues and the way they are modeled, look at a few results, and discuss work in progress.

第7回
日  時:1999年12月16日(木) 16:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:大村 善治
     通信情報システム専攻 宇宙電波工学講座 数理電波工学分野
講演題目:宇宙プラズマ波動の計算機シミュレーション

概  要
地球を取り巻く磁気圏および惑星間空間は希薄な熱いプラズマ大気で満たされており、様々なプラズマ波動が生起している。最近の科学衛星によるプラズマ波動の観測を紹介し、それを計算機上に再現する計算機シミュレーションの手法について概説する。

第8回
日  時:2000年1月13日(木) 6:45−18:15
場  所:工学部10号館第1講義室および宇治本館5階N503号室
:泉 知論
     通信情報システム専攻 集積システム工学講座 情報回路方式分野
講演題目:自律的に再構成を行なう論理回路の実現に向けて

概  要
従来のシステム設計において、高性能だが設計コストの高い専用論理回路(ASIC)を用いるか、あるいは設計コストは安いが処理が逐次的な汎用中央処理装置(CPU)を用いることが一般的であった。CPUのプログラマビリティとハードウェアの並列性を両立するデバイスとして再構成可能な論理回路(FPGA)が登場し、近年では FPGA を用いたシステム設計が注目を集めている。
FPGA のような再構成可能論理回路に、さらに汎用性を求めたアーキテクチャとして、プラスティック・セル・アーキテクチャ(PCA)が提案されている。PCA では、ある論理回路のまとまり(回路オブジェクト)を機能単位とし、それらが相互に通信することにより処理を行なう。さらに、ある回路オブジェクトが別の回路オブジェクトを生成・消去できる。これを論理回路の自律的再構成と呼び、新しい計算パラダイムを提供する。
本講演では、PCAの概要、計算モデル、アーキテクチャ検討、設計方式、デバイスの試作、などについて紹介する。